昨年の3月にはじめて中国を訪れてもうすぐ1年を迎えようとしています。UTS
JAPANに関わることになり、はじめて中国ビジネスの世界にほんのちょっと足を踏み入れ、キョロキョロとあたりを見回しながら、前に進んでいる真っ最中です。
弊社は海外経験20年を超える、代表古閑を中心に中国に関するプロ人材とともに中国進出へのサポートを行っています。プロ人材は国内外にて活躍をしつづけ、理念や志を持った方ばかりです。
中国ビジネスと言えども、貿易、マーケティング、SNS、インフラ、原料、医療、美容、幅広く全てをひとりで網羅することは大変難しいことです。
だからこそ、強い組織体を作り、現場の最新情報にいち早く耳を傾け、確認をし、手に取り、トライしていく姿勢が求められると考えています。
今日は私がこの1年間を通して、感じた、中国の底力についてお話をしていきたいと思います。これから中国に出店や輸出を考えている方への参考になれば幸いです。また合わせて、おすすめ記事を準備しておりますので読んでみてくださいね♪
1、変化に対する順応力
2019年は日本にとってキャッシュレス決済元年となりましたが、中国ではもうアリババ集団の「Alipay」 と、中国版Lineともいえるテンセント「WeChat」が2013年に始めた「WeChat Pay」 が挙げられます。
ちなみに、この2社で90%以上の市場を持っているのが中国のキャッシュレス事情です。中国でキャッシュレス決済が導入されていない飲食店を探すことの方が難しいように感じます。
ここまで普及した背景には、スマホの普及も大きく貢献しているのはもちろんですが、私が感じたのは、「変化に対する順応力」だと思います。
11月に行われた中国国際輸入博覧会に参加した際、駅に人が殺到しないように、遠回りをさせたり、駅の流入を規制していました。駅の出入り口はすぐそこなのに、15分ほど遠回りをしてえ歩き続けました。理由は理解できていたとしても、疲れた帰り道には大変堪えたのを覚えています。
目の前に数万人規模、全体での数十万規模の人の移動がある中で、誰も文句を言ったりはしないんですね。目立った混乱もない。ニュースで見るような大きな声で怒鳴りあうこともない。
なぜ、ここまで規制されても文句を言う人がいないのか?という質問に対して「きちんと整備され、安全を考慮されているのだから、それに対して反抗するよりも順応する方が合理的だと考えるからね!」ということを教えてもらいました。
1週間、嵐のコンサートの数倍規模の人数が行き交う駅で、何も混乱が起きない。警備をする人も多く、仕方ないと思っている方もいるかもしれないし。そういうものだと無意識に判断しているのかもしれません。
ですが、目の前の状況に合わせて、順応していく力、中国はめちゃめちゃ高いです。何をリスクとして捉えているのか、何が物事をスムーズに進ませるのかを瞬時に判断をしているのかもしれません。
2、目が肥えている中国人
中国に行くまで中国のイメージは、朝のニュースで放送されるようなイメージでした。
ほこりっぽい。おこりっぽい。ちょっと安全じゃなさそう…みたいな!今思えば、とても失礼なことなのですが、本当に知らないって怖いです。
でも、実際に中国に行くようになり感じたのは、日本よりも商品ラインナップが充実しているということです。それを感じたのは先日訪れたファーマ生鮮のスーパーでした。(参考記事:アリババの新型店舗盒马鮮生(フーマー・フレッシュ))
水のラインナップ。お酒、そして、日用品。日本の街中のスーパーでは売ってないような海外製品が多く販売されていました。私はこの時に、ニュージーランド産のお気に入りの歯磨きを購入することができました。
展示会をすれば世界から商品やサービスがやってくる。市場規模は日本の10倍。そりゃ世界も中国市場は見逃せないはずです。多くの広告費を投じて、中国市場でチャレンジされています。だからこそ、中国人は多くの製品を見る機会があり、国内外の商品に触れる機会を持っています。
自然と商品を見る目が養われ、またSNSやネットを用いて、調べる力もある中国人の消費者は商品に対して非常にシビアだと感じています。
3、市場をつくるKOL、KOCがブランドと共存する世界
KOL(キーオピニオンリーダー)だけでなく、KOC(キーオピニオンコンシューマー)という言葉も日本に入ってくるようになりました。
実際に5月の美容博に訪れた際に感じたのは、ライブ配信で放送しながら、販売を徹底しているブースの数々でした。
こちらの記事で書いている通り、インフルエンサーが市場を作っているのは間違いありません。(参考記事:上海美容博覧会レポート、商品展示と最新マーケティング)
ですが、何が素晴らしかったかというと、ライブ配信の現場では、必ずと言っても良いくらい、インフルエンサーの横にサポートするスタッフさんがいらっしゃったんですね。
それはなぜかと言うと、視聴者からの質問に的確に答えるために「お店側の専門家」が一緒にいたり、商品等を綺麗に視聴者にわかりやすく見せるために、ライブ配信中に、
手渡しで商品を渡したり、タイムキーパーをしたり。もう手厚いのなんの…それもそのはず。彼女たちのライブ配信で多くの商品が認知され、売れていくからです。
鶏が先か卵が先かということになりますが、インフルエンサーのサポート体制をしっかり作ることで、より発信のクオリティが上がり、インフルエンサーがインフルエンサーとしての活動がしやすくなるのではないかと思います。
日本のインスタグラマーのように、商品をただ渡して、投稿してもらって終わってしまうプロモーションではなく、企業とともに、企業の顔としてプロモーションを徹底していくわけです。素晴らしいですよね。
日本以上に中国がインフルエンサーが活躍している理由のひとつではないかと思います。日本の中でもライブ配信で物を売れる人が増えていくと、また新しい市場ができると考えています。
今の中国の強さはこのインフルエンサーと企業の協業や、中国のプロモーションの徹底が挙げられるのだと思います。中国から学ぶことは多いので今後の動きも必見ですね!
編集後記
今日のお話をまとめると。
中国の底力に隠れているのは
①変化に対する順応力
②自然と目が肥えていく、世界規模の市場
③市場をつくるKOLがブランドと共存・協業する世界
この3つのポイントだと挙げさせて頂きました。もちろんこれだけじゃないのですが、中国に行けば行くほど、中国の底力を感じます。そして変化のスピードに驚かされます。
私たちが見ている情報はほんの一部です。こちらの記事に書いたように(参考記事:情報の濃度を高めることが、海外戦略成功の鍵)私たちが見ることのできない一次情報が確かにあります。だからこそ、その情報を持っている企業と一緒に走っていくことを心からおすすめします。
もちろん日々情報はアップデートされます。
だからこそ、チームで情報を集め、分析し、実際に市場の中で戦っている企業だからこそ、お伝えすることができるものもあります。
これからも中国市場を目指し奮闘している企業とともに、市場の流れや空気を感じ、共有し、成長をしていけたらと思います。
共に頑張りましょう。
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それでは。