上海ではたらく総経理の日記

【写真有り】上海高島屋が撤退を取り止め、継続を決めた背景。売り場の現状は?復活はあるのか?

2019.8.28

上海高島屋 撤退の撤回 背景

上海で会社を興して14年を迎えます。
これまでも様々な出来事、情勢の移り変わりがありましたが、今回の「上海高島屋撤退の撤回」もひとつ大きな局面と捉えています。

 

実際に上海高島屋の6階にあった「日本館(300平米をこえる)」のテナントの一部に、商品を卸していた弊社としても、この数ヶ月は様々なことがありました。

 

弊社の取引先のひとつでもある高島屋さんが撤退せず、上海の地で継続されることを大変嬉しく思うと同時に、これから厳しい局面を新たに迎えることを肌で感じています。

 

今日は、こちらの記事にて実際の売り場の状態、そして、上海高島屋が撤退危機に陥った理由、撤回に至った理由等も現場の声を踏まえてお話しして参ります。

 

上海高島屋が誕生した頃の情勢と状況

上海高島屋 撤退の撤回 背景

上海高島屋のオープンは尖閣諸島で日中関係が悪化した直後のことでした。
当時の上海の状況は決して良いものではありませんでしたが「日本のサービスと高品質な製品を中国へ」という思いで上海高島屋は上海市長寧区の高級住宅街にオープンしました。

 

実際オープンしてみると、土日こそ賑わうものの、平日となると1階のスーパー(食品売り場)と7階のレストランフロアのみ人の行き来があるだけで、他の階は閑散とした状態となっていました。

 

人の動きはダイレクトに売り上げに直結し、実際に日本円にて10〜30億という赤字状態がこの数年続いていました。

 

 

上海高島屋はなぜ中国で流行らなかったのか?

上海高島屋 撤退の撤回 背景

まず1つめの理由は、近場の高級百貨店で日本で販売されるよりも高額になっている商品を買う理由がなく。日本の渋谷のようにショッピングセンターが集まった地域があるので、わざわざ近い場所の高級百貨店で購入するという習慣が生まれなかったことが挙げられます。

 

また、2つめの理由として、アパレルや化粧品に関しては2013年頃から、アリババやテンセント等のIT企業の成長とともに、SNSの口コミやオンラインで購入する機会が増えたことも挙げられます。

 

つまりのところ「高級」で「日本の昔ながらの丁寧な接客」は「中国の小売市場の急激な成長」とは次第に格差が生まれ、日本での成功事例は中国の方に受け入れられてはいなかったということです。

 

日本の成功事例をそのままに、中国の市場に対してフィットしていないままにしてしまったのは課題として今も残っています。

 

 

上海高島屋の撤退発表から、撤回までに起こった出来事とは?

上海高島屋 撤退の撤回 背景

6月25日に上海高島屋から「8月25日に閉店する」という通知が届きました。
もちろんこの数年は撤退の話題は尽きなかったので、通知がきた時にも驚きはしませんでした。それ以上に、実際の売り場に陳列している商品たちをどのように撤去していくのか?売ってしまうには?ということに頭をすぐに切り替える必要がありました。

 

7月に入り開催された閉店セールはとても盛り上がりました。実際に弊社商品の売り上げも、通常の10倍ほどの売り上げがあがり、逆に品薄状態になり、商品を補充して対応をする程でした。

 

もちろんこの時の売り上げというのはかなりの額だったのですが、高島屋というブランドがなくなることに対して「最後だからいまのうちに買っておきたい!」という顧客心理と、同時に、「安くお得に買える」という理由で人が集まっていたと考えています。閉店セールで人が集まるのは日本も中国も変わりませんね…

 

 

上海高島屋の現状と乗り越えるべき課題店

上海高島屋 撤退の撤回 現状

今、上海高島屋が直面している状況は

 

1、スタッフ解雇による人材の流出
2、スタッフ解雇によって生じる多額の「経済保証金」の支払い
3、在庫セールによる収益減
4、商品撤退と再度仕入れによる負担
5、現場スタッフのモチベーション

 

 

2、は特にダメージが大きいものとなっています。中国では解雇の際に「経済保証金」として、働いた年数と同じ年数の給料を支払うことが決められています。すでに、上海高島屋のスタッフの半数以上に「保証金」を支払いを済ませている状態になっています。

 

在庫や保証金によってキャッシュフローがすべて不足した状態。そこに、社員のモチベーションが下がっている状況はとても苦しく、人的資源、金銭的な資源のダメージをどのようにリカバーしていくのかは、上海高島屋の課題店です。

 

 

実際、8月26日以降も通常営業を続けている上海高島屋ですが、陳列もただ並べている状態で、売れるような状態にはなっていません。現場は非情に混乱した状態で、「ヒト・モノ・カネ」という資源が流出している状態で、元に戻すのは大変な仕事になるはずです。

 

 

上海高島屋の撤退を撤回した背景には何があったのか?

 

解散および清算中止に至った経緯については、高島屋ホームページにある「海外連結子会社の清算の中止に関するお知らせ」に掲載されています。

 

6月25日開催の取締役会において、上海高島屋百貨有限公司が業態間競争の激化や隣地開発の遅延と変更による事業採算性の悪化見通しのため、8月25日の上海高島屋百貨有限公司株主会決議を前提に同社の清算を決議した。しかし、その後、営業継続の条件について、家主からの支援及び上海市・長寧区の協力により、事業採算性が大きく高まる目途がたったため、清算を中止する。(高島屋HPより

 

上海高島屋は土地も建物も中国側オーナーから借りている状態で、今回の撤退の原因はその家賃負担が大きかったことが挙げられています。

 

6月25日の時点では、オーナーとの交渉は決裂した状態でしたが、上海市政府としても「誘致したにも関わらず、日本の大手企業が撤退するのは印象が悪い(中国がメンツを重んじるのはこの記事を読んでいる方は重々承知だと思う)」というのが正直なところ。

 

また「中国は市場としてよくない!(難しい市場だ!)」という印象を与えてしまうのも、諸外国から投資先としての評価が下がることも中国政府としては何としてでも避けたいところです。

 

結果的に、家主からの支援及び上海市・長寧区の協力(実際は政府から補助金が出たとされている)により、家賃負担が軽減され、上海高島屋も続投を決定している状況です。

 

現場はまだ混乱した状態ではありますが、これからどのように変化していくのか、日本人の目線でも引き続きお話しができたらと思います。

 

最後までお読みいただきまして、ありがとうございます。

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